北斎-永田コレクションの全貌公開<序章> 後期展示開幕
- 日付:2019年03月07日 15:00
- カテゴリー:事業
江戸時代を代表する浮世絵師葛飾北斎の画業をたどる島根県立美術館(松江市袖師町)の企画展「北斎-永田コレクションの全貌公開<序章>」(山陰中央新報社など主催)で6日、作品を大幅に入れ替えた後期展示が開幕した。初期の肉筆美人画「婦女風俗図」など107点を新たに公開。通期展示を含めた計195点が、国内外で人気の高い北斎の魅力を伝えている。
北斎研究の第一人者で、島根県津和野町出身の故永田生慈(せいじ)さんが県に寄贈したコレクションの中から展示。画業初期から最晩年までを網羅する構成になっている。
「婦女風俗図」は花魁(おいらん)や町家の女房など年齢も職業もさまざまな8人の女性を描き分けている。前期に展示された「鍾馗(しょうき)図」とともに、初期の肉筆画として希少とされる。
花鳥虫魚を描いた「肉筆画帖(がじょう)」など「画狂老人卍(がきょうろうじんまんじ)」と名乗った晩年の力作も多数展示。88歳で三国志の英雄を描いた「赤壁の曹操図」は鮮やかな色彩と繊細な筆致で、来場者を驚かせている。北斎の代名詞「冨嶽三十六景」シリーズでは「山(さん)下白雨(かはくう)」や「神奈川沖(かながわおき)浪裏(なみうら)」などが並ぶ。
企画展は2月8日~3月4日の前期展示で、約2万5千人が来場。後期展示は25日まで。火曜休館。
初期の肉筆画「婦女風俗図」を鑑賞する来場者=松江市袖師町、島根県立美術館